「長い長い殺人」宮部みゆき
あらすじ
ひき逃げ事件に巻き込まれ亡くなってしまった男(森元隆一)
の妻(森元法子)に不信感を抱く刑事。
夫の死因に全く興味を示さない法子は、夫にかけていた多額
の保険金を受け取るも、死亡時刻前後には友人宅に泊まって
いたというアリバイがあった。
主要人物の”財布”が語り手となって描かれるミステリー小説。
感想
財布を語り手として物語が進んで行くという構成に興味を弾
かれ読了。もともとは各章が短編小説となっていて、それら
に最終章のエピローグを加えてこの小説が出版されたらしい。
宮部みゆきらしい人間的な感情の捉え方が出ていて感情移入
しやすい作品となっている。
宮部みゆき本人も感じたと巻末の解説にも書かれているが、
彼女の代表作「模倣犯」を彷彿させるストーリーであり、当
初から殺人犯と予想していた人物が、後半に入って裏切られ、
最後には予想外の展開が待っている。
※ 注意書き ※
私は記憶力がとても悪く、人物の名称やその相関関係をすぐ
に忘れて読み進めてしまう。せっかく読んだのにもったいな
いなと感じて下記に各章の人物相関図を記載する。
この本を読む予定のある人で私と同じように忘れっぽい方は、
下記の相関図を参考に読まれてはどうだろうか。
各章の人物相関図
1.
2.
3.
4.
5.
6
7.
8.
9.
10.
「火花」又吉直樹
あらすじ
お笑い芸人の主人公(徳永)が、先輩芸人(神谷)と出会い、お笑い芸人としての生きざまを見ながら「面白い」とは何かを模索していく。
感想
芸人(又吉直樹)が書いた小説が芥川賞を取ったということで、話題性もあり読んでみた。
あまり難しい文章などは苦手なので、芥川賞などの難しそうな小説は普段は読まないが、そこは芸人ということもあって読みやすかった。
ただ、話の内容が暗く、何が幸せなの?どうすれば正解だったの?
と頭を悩ませる話だったように思う。
お笑い芸人として面白さを追い求めるはずがなかなか面白くなっていかない(良い意味で)もどかしさというストーリーは評価できる。
芸人としての又吉っぽいと言えばぽいのかもしれない。